私は小学校のコミュニティーは将来のそのコミュニティーの縮図だと思っています。
生徒たちを見まわしてみると、いわゆるホワイト・オーストラリアンの生徒はクラスに二人、三人ぐらいでしょうか。今圧倒的に増えてのはインド系の生徒です。そして、ミドルイースタン(ムスリム)系の生徒、中国人、ベトナム人、カレンという部族、そしてミックス(ハーフ)の生徒がいます。私の小学校には生徒のご両親が日本人の方もいます。アボリジニの生徒もいます。
アボリジニの人たちははオーストラリア中のいろいろな所に住んでいます。中央オーストラリアに住んでいる肌が黒く、特徴的な顔をもったアボリジニのような人達ばかりではありません。土地が違えば肌の色も顔の形態も違うようで、肌が白く、外見に特徴のない人もいます。
ショッピングセンターにいくと、ヒシャブを被った女性をたくさん見かけるし、ハラルといわれるイスラム教の人専用の食べ物などを売っているお店もよく見かけます。オーストラリアはベトナム戦争の後、難民を受け入れていた時期があり、メルボルンにはベトナム人が多く住んでいるエリアがあります。同じようにイタリアやギリシャからの移民を受け入れていた時期がありますので、同僚にもギリシャ系の方が3人います。
現在小学校に通っている生徒は英語が母国語でなくても流暢に話す子もいます。昨日学校に編入してきた女の子(プレップ=日本の幼稚園の年長さん)はまったく英語が分からない、と担任の先生がいっていました。もちろん、小学校で色々なことを学んで、英語が上手になった子もいます。親が英語を理解できないため子どもがトランスレーターとなってペアレント・ティーチャー・インタビューの時に翻訳し親の代わりに聞いてくれたり答えたりしてくれます。(悪い所を先生から指摘されたらどうするんだろう、と思いますが。)
小学校ではEAL(English as an aditional language)の先生がいて、英語が母国語ではない生徒のために少人数で英語の基礎を教えてくれるカリキュラムがあります。
今年の2学期にワーク・エクスペリエス(職業体験)で近くのセカンダリスクール(中・高校)から生徒たちが訪れました。その中の一人、Rちゃんはうちの小学校の卒業生です。現在高校1年生だと思いますが、彼女がうちの小学校に3年か4年生の時に編入した時は全く英語が話せず、私もどうしたものか、と戸惑っていました。でも、Rちゃんは真面目で何にでも一生懸命に取り組んでいました。すぐに英語も友達と話せるようになっていきました。すごく大人しかった彼女が教師の仕事に興味を持ってくれたことは本当に嬉しかったです。将来、Rちゃんが私の同僚になる日をひそかに楽しみにしているみゆりんです。